プロフィール

           声楽家/バリトン 時田直也

 生
後半年で未熟児網膜症と診断され、生まれた時からずっと見るという経験がありません。 父の腕の中でそよ風に吹かれ、身体全身で喜びをあらわした日から今日まで私なりにいろいろな風に吹かれてきたように思います。 幼い日、ふとしたきっかけで音楽に出会ってからは、肌で感じたことを音で表現するなど音楽に打ち込んできました。 いつも口ずさんでいたい歌があり、何度でも思い起したい心の風景があります。 音楽を通して皆様と心の旅をすることが出来ればこんなに嬉しいことはありません。 「目が見えないことは不便ではありますが、決して不幸ではないのです。今、生かされている喜びと輝きを歌い続けてゆきたい。 歌うことは希望を語ること。」この思いを歌にのせて語ります。

< 音の世界を大切に >
「わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、とべる小鳥はわたしのように、地面をはやくは走れない。わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけど、あの鳴るすずはわたしのようにたくさんのうたは知らないよ。すずと、小鳥と、それからわたし、みんなちがって、みんないい。」
大正時代に活躍した童謡詩人、金子みすずの詩です。この詩に心を打たれ作曲しコンサートでよく歌っています。

 私は生後半年で未熟児網膜症と診断され、生まれた時からずっと見るという経験がありません。 そんな私に両親は音の世界を大切にしたいと、幼い頃から童謡などのレコードをよく聴かせてくれました。 繰り返し聴くうち自然に音楽の世界に惹かれ、6歳の頃よりピアノをはじめました。
 点字楽譜を使っての地道な練習が楽しめなくなり、16歳でピアノを中断。 その後19歳のとき声楽と出会い、自分の体を楽器にして心が表現できる喜びを見出し、歌の世界に踏み出しました。

< 挫折を越えて >
 音楽の道に進む決心をし、府立盲学校専攻科音楽科に進学、ピアノを再開するも、専門的なレッスンが進むにつれ、能力の壁にぶち当たり、ストレスに悩み、アトピー性皮膚炎をおこし、学校を休学。 家で悶々とする日々が続きました。 そのトンネルに入っていた状況から抜け出すことが出来たのは、両親をはじめ周囲からの温かい励ましと、敬愛するドイツのバリトン歌手、ヘルマン・プライの甘くやわらかく、そして力強い自然体の声でした。 特に繰り返し聴いた曲はシューベルトの「冬の旅」。 24曲の連作からなるこの歌曲は恋に破れた一人の若者の絶望の歌ですが、へルマン・プライの声を聴いていると、絶望の向こう側に希望の光が感じられました。 「こんな風に聴く人の心に響くような歌を歌えるようになりたい・・・」歌うことへの情熱が再びあふれてきました。
 その後、大阪音楽大学音楽学部声楽科に進学。 学生時代、ふとしたきっかけで始まった「ふれあいコンサート」が今も私のライフワークになっています。 自らの体験談を交えながら、日本の美しい抒情歌・童謡・唱歌・クラシック・歌曲など、時にはスマップの「夜空のムコウ」、ジブリのアニメソング等、ずっと歌い継いでゆきたいメッセージのある名曲を、ピアノを弾きながら歌っております。(もちろん伴奏者を伴っての演奏会もしておりますが)
 その歌との結び付き、よみがえる思い出・・・、歌への感じ方は人それぞれ。声を出した瞬間からその歌はもう私のものではないのです。 自分を越えた大きな力によって歌わせて頂いている・・・音楽にはそんな偉大な力を感じずにはいられません。 
 見たことの無い風景を声で表現することに戸惑い、自信を失っていた大学時代。 恩師の先生が、「大切なのは感性。こころで感じること。音楽は目に見えないものだから、目のみえない君にしか歌えない歌がある」と励まして下さった言葉が今も心に響いてきます。
 コンサートは一期一会、お一人おひとりとの出会いを大切に歌い続けてまいりたいと思います。

  歌うことは希望を語ること
   生きることは喜びも悲しみも共にわかちあうこと
    風は思いのままに吹く




1960年 神戸市に生まれる
      生後半年で未熟児網膜症と診断される
1981年 「ヘレンケラー全日本盲学生音楽コンクール声楽の部」優勝
1989年 大阪音楽大学音楽学部声楽課 卒業
      兵庫県大学新人演奏会出演
      和歌山市交響楽団「天地創造」出演
1990年 フォーレ「レクイエム」バリトンソロ/宝塚中央合唱団にて
1994年 CD「風がやってきた」カセット「目には見えねども」リリース
      出版記念コンサートを神戸朝日ホールにて開催
1995年 阪神淡路大震災被災 自宅全壊
      ノルウェー・フィンランド公演
1996年 神戸芸術文化団体 ”半どんの会”より「文化賞芸術奨励賞」受賞
1998年 大阪センチュリー交響楽団とアクロス福岡にて共演
1999年 総理府主催「障害者の日」中央式典のゲストとして出演
      CD「風のうたをききながら」リリース
      NHKラジオ「関西発ラジオ深夜便こころの時代」ゲスト出演
2001年 タイ・バンコク日本人会主催「チャリティーコンサート」出演
2002年 CD「いつも何度でも」リリース
2005年 「風ふく道で〜光の声をききながら」出版
2006年 ドイツ・デュッセルドルフにて公演
2010年 阪神淡路大震災15年追悼コンサートを青谷福音ルーテル教会にて行う
2011年 東日本大震災追悼コンサート「今、旅立ちの時」 大阪クリスチャンセンターOCCホールにて行う
      


*大阪音楽大学在学中からはじまった「ふれあいコンサート」は、小さなサロンから大ホールまで日本国内はもちろんのこと時には海外まで、年齢、会場、地域を問わず多くの方々からのご依頼に応じてコンサートを行っています。 各地でのコンサート・講演会では好評を頂いております。
    コンサートの内容・ご依頼について詳細

*2000年 神戸元町ミュージックウィーク2000「珈琲コンサート」、ゲストでバッハの珈琲カンタータ」を歌う。その後、ほぼ毎年、神戸元町商店街の「神戸元町ミュージックウィーク」出演

*2006年より「風はおもいのままにふく」コンサート/リサイタル開催(年1〜2回)

そよ風ミュージックルーム 講師



岡田征士郎、藤井公子、故横井輝夫 各師に師事
「神戸波の会」会員  「幸楽会」会員
西日本福音ルーテル教会 青谷福音ルーテル教会 会員


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時田直也音楽事務所
〒651-0063 神戸市中央区宮本通5-4-16
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私にとって「風」は音楽です。
 そして、「音楽」もまた風なのです。

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