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行 政 書 士 田合 潔 事務所

              兵庫県行政書士会                                  (たごう   きよし)                          


  
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相続関係・一問一答

相  続 遺  言
相続財産 相 続 税

相続財産・一問一答


相続財産は、誰にどのように帰属し、管理されるのでしょうか



原則:当然承継

相続人は、相続開始の時から当然に相続財産を承継する(民法第896条本文)



相続財産を、数人の相続人で分けるには、どのようにすればいいのでしょうか?



  1. 遺産分割の方式
    共同相続財産の最終的帰属を決定するための手続きで、当事者間の合意によるものと、家庭裁判所の審判による場合とがあります(民法第907条)。
  2. 遺産分割をする上での注意点
    1. 協議による遺産分割は、相続人となる者全員の合意が必要です。この合意が得られない場合は、家庭裁判所の審判を求める事になります。
      家庭裁判所の審判は、まず、調停を行い、そこで決着しない場合に行われます。また、その調停も、当事者間の協議が整わなかったときや、当事者となる者の所在が不明であるとか、最初から当事者間で協議が整わない事が明白である場合に、起こした方が後々のことを考えれば良いでしょう。
    2. 相続人のうち、子供が胎児であるとか、未成年者である場合には、家庭裁判所に特別代理人を選任して貰わなければなりません。親権者と子の利益相反行為:民法第826条)
    3. 寄与分(民法第904条の2)について
      ・相続人中に被相続人の財産の形成・維持につき特別の寄与をした者があるときは、遺産分割に際してその点を考慮しないと他の相続人との関係で不公平であることから、認められた制度です。
      ・協議による遺産分割又は家庭裁判所の審判(調停)のどちらで、決めてもかまいません。
      ・考慮の対象となる「寄与」とは、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加につき相続人によってなされた特別の寄与です。
    4. 特別受益の持戻(民法第903条・第904条)について
      ・相続人中に被相続人から特別の財産的利益を受けた者があるときは、遺産分割に際し、その点を考慮して決めないと他の相続人との間に不公平が生じるため、その不公平を計算上生じさせないようにする制度です。
      ・相続人の受けた遺贈や相続人が生前に被相続人から受けた、ある程度高額の財産的利益であって、特定の相続人に与えられたものです。
      具体的事例としては結婚時の持参金、居住用建物の購入資金・開業資金等があります。
  3. 分割の方法
    「現物分割」「個別分割」「換価分割」「代償分割」などの方法があります。どの方法で分割するかは、協議による分割、家庭裁判所の審判での分割のどちらの場合でも、「遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して」定めることが必要です。
  4. 遺産分割の効力
    遺産分割によって、共同相続財産は相続人各人の固有財産に転化します。この効果は民法上、相続開始時にさかのぼる(民法第909条)とされていますが、分割の結果、初めて相続人の固有財産になるというほうがわかりやすいでしょう。



生命保険金の死亡時の受取人を、妻とか配偶者又は具体的な名前を挙げていたり、単に相続人としている場合と、死亡時受取人の指定をせずに、亡くなった場合に違いはあるのですか?




原則的には受取人として指定された者が原始取得するのであって、生命保険金は、相続財産とはなりません。しかし、受取人を指定せずに死亡したときには、相続順位に従った相続人が取得します。
※原始取得とは、ある権利を他人(前主等)の権利に基づかないで取得することです。
ただし、相続税法上、みなし相続財産として取り扱われます。




生命保険金の被保険者と受取人が違う場合に、何か特別の扱いがあるのですか?




民法第903条に規定する特別受益として、生命保険金は考慮されるべきものです。
被相続人=保険契約者がその財産の中から保険料を給付している対価なので、実質的には受取人への贈与とみられるからだということを根拠にしています。

※どれだけを特別受益とするかについて、

  1. 実際に支払った保険料額
  2. 被相続人の死亡時における解約返戻額
  3. 被相続人が死亡時まで払い込んだ保険料の保険料全額に対する割合を保険金に乗じた金額

などの考え方があり、3.が次第に有力になりつつあります。




みなし相続財産という言葉は、どういう財産をいうのでしょうか?




本来は相続財産でありませんが、被相続人の死亡を原因として、相続人のもとに入ってきた財産を税法上みなし相続財産として扱うもので、これに、生命保険金・死亡退職金が該当します。




父が、第三者に全財産を譲るという遺言を残して亡くなりましたが、子供である私には、父の相続財産を少しでも取得できないものでしょうか?(遺留分)




死者の財産に対する遺族の期待を保護する制度として遺留分があります。遺留分とは、個人の財産処分の自由を一定程度制限し、遺族のため、財産の一部を保留させる制度です。

  1. 遺留分権利者
    兄弟姉妹以外の相続人すなわち配偶者、子、直系尊属です(民法第1028条)。代襲相続になる場合の代襲者も含まれます。
  2. 遺留分の割合
    直系尊属のみが相続人であるときは被相続人の財産の3分の1、その他の場合には2分の1(民法第1028条)。 遺留分権利者が複数の場合は、これに法定相続分を乗じたものが各人の遺留分になります。
  3. 遺留分減殺請求権
    遺留分の侵害を回復するための権利です(民法第1031条)。相続によって受ける利益の価額が慰留分額を下まわる場合に、その差額を限度として成立します。
    1. 性質
      規定上「請求〔権〕」という言葉が用いられてまぎらわしいですが、形成権(権利行使をするという意思表示だけで効果を生じさせうる権利)です。
      すなわち、遺留分を侵害する遺贈又は贈与を失効させる形成的効力をもつ権利です。
    2. 権利者
      遺留分を侵害された遺留分権利者又はその承継人です。
    3. 減殺請求の相手方
      受遺者・受贈者たる相続人のほか、他の相続人の遺留分を侵害する相続分指定を受けた相続人も含まれます。
    4. 減殺の方法
      減殺する旨の意思表示だけで、裁判によらなくてもよいです。
      価格算定の基準時は、現実に弁償がなされる時です。
    5. 期間制限
      減殺請求権を行使すべき期間は限られており、遺留分権利者が相続の開始および減殺すべき遺贈又は贈与のあったことを知った時から1年(時効期間)、
      相続開始の時から10年(除斥期間) が経過すると請求できなくなります。
    6. 遺留分の放棄
      相続開始前の放棄:家庭裁判所の許可を必要とします。
      相続開始後の放棄:自由にできます。



私達夫婦には子供がいません。私名義の不動産(土地・建物)および預貯金があり、私が死んだ後は妻に譲りたいと考えています。私の両親はすでに亡くなっており、私の兄弟は4人です。妻一人に私の財産を相続させることはできますか?それとも生前に贈与した方がよいのでしょうか?




法定相続になりますと、奥様が4分の3、残りの4分の1をご兄弟で配分することとなります。
ご兄弟の方が相続権を主張した場合、不動産も持分で所有することとなってしまいます。
だからといって、生前贈与をするべきでもないでしょう。
税金の面から考えましても得策ではないと思われます。
今回の場合なら、「奥様一人にすべての相続財産を譲る」という遺言をすることができます。また、この場合、兄弟には「遺留分」を主張する権利がありませんので、その遺言はそのまま有効に成立します。




相続財産に負債の方が多い可能性があります。
どうすればいいのでしょうか?




相続財産のうち、負債の方が多い可能性がある場合は、限定相続を行ってはどうでしょうか。限定相続とは相続人全員の意志で、相続を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てをすると、遺産総額を超えた債務については責任を負う必要がなくなります。




先日主人が亡くなりました。
そこで一つ気になることがあります。
それは、主人がなくなった今現在でも借家に住むことができるのでしょうか?
借主は亡くなった主人だったので、もし大家さんから出て行くように言われると従わなければならないのか不安です。




大丈夫です。
家を借りその家を利用する権利を賃借権といいますが、この権利は相続財産ですので、あなたが相続放棄等をせずに相続されているのでしたら、たとえ家主から出て行くよう申し出があったとしても相続した賃借権を持って対抗できます。
しかし内縁の妻(夫)など、法律上、夫婦関係にない場面は一概にいえません。。




内縁の夫が死亡して借りていた家の大家さんから「契約者がお亡くなりになられたので出て行っていただけませんか?」という通知を受けました。確かに借主は内縁の夫で私ではありません。この場合私は、家を出て行かなくてはいけませんか?




あなたが家主の言い分をはねのけるためには、あなたがその家に居住する権原(権利を主張するための法律上の原因)が必要です。
ご相談内容では、亡くなられた内縁のご主人(「以下ご主人といいます。」)に相続人がいるかどうか不明ですが、相続人がいる場合とそうでない場合では大家さんに対して主張する権原が異なります。

◇相続人がいる場合
  1. 法律上、内縁者であるあなたには相続権がないため、相続財産である賃借権は相続人に相続され、あなたには帰属しないので家主に対して賃借権を主張することはできません。しかし、いくらあなたが戸籍上の妻ではないとしてもご主人が亡くなられるまでの間、事実上夫婦関係を築かれてきたのですからそれをご主人が亡くなられたという偶然の事情だけで生活基盤を失われるのは妥当ではありません。やはりあなたの“事実上夫婦として生活してきた基盤”は保護されるべきです。
  2. どのように保護されるのかは争いのあるところなのですが、判例は「賃借権自体は相続財産であるので内縁の妻には承継されないが、内縁の妻等は相続人の承継した賃借権を援用する形で居住権を主張できる」としています。つまり、あなたは内縁の夫の相続人が持つ賃借権を利用して、住む権利を主張し、家主の言い分をはねのけることができるのです。
  3. もう一歩踏み込んだ問題について考えてみましょう。賃借権が相続人にあり、内縁者は相続人の持つ賃借権を利用して居住権を主張する、ということは賃借権を持つ相続人の意思次第で、内縁者は居住権を奪われるのではないかと危惧されます。つまり相続人が内縁者に対して「賃借権を持っているのは相続人である私であり、内縁者であるあなたに賃借権はないのだから家を明け渡してくれないか?」ということを言ってくることも十分に考えられます。そういう場合、賃借権を持っていないあなたは出て行かなくてはならないのでしょうか?この点、判例は賃借権を持つ相続人が家を利用するにつき特別な事由があることを要求しています。つまり特別な事由がないのに明け渡し請求をすることは権利濫用に当たるとし、認められないということです。以上のことから、あなたは、相続による賃借権を持って大家さんの言い分をはねのけることはできませんが、相続人の有する賃借権を援用して大家さんの言い分をはねのけることができます。
◇相続人がいない場合
借地借家法第36条において内縁者に相続人がいない場合には、内縁者に賃借権を承継させると規定しています。内縁者には相続権がありませんので、被相続人の財産は相続人にすべて帰属することになるのですが、この条文の趣旨は、もし被相続人に相続人がいない場合にはそれまで生活を共にしてきた内縁者に特別に承継させようというものです。以上のことから相続人がいない場合、あなたは借地借家法36条に基づいて賃借権を承継したことを持って家主の言い分をはねのけることができるのです。

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