皆様にとっては 誠に急なお知らせになりますが
この8月いっぱいで閉店させていただくことを決断いたしました。
結論を出すまでには 色々と悩み、熟考を重ねたのですが
余力のあるうちに 決断して次の展開をするべきであろうと判断しました。
2008年リーマンショック以来、日本の景気は落ち込み、飲食業界も厳しい状況に陥っております。
特にパパスにとっては リーマンの前年の道交法の改正による飲酒運転取り締まりの強化が始まった辺りから
パパスの基本的なコンセプトの「美味しい料理とお酒を楽しんでいただく」 というものが崩れてきました。
開店以来、自分が通うならこんな店に行きたいと お酒に関してのウエイトも大きく考えておりました。
しかし 日本の飲食業界で今や「ノンアルコール」が完全に市民権を得てしまいました。
総合的な原価設定をする時に 料理とドリンクの割合を考えて 料理の原価設定を高めにし
いい品質の料理をよりお安く召し上がっていただこうとしとおりましたが
料理の売価を上げるにしろ 材料の品質を落とすのも抵抗感がありました。
景気の低迷、デフレというのは恐ろしいもので 飲食業界におきましても 「立ち吞み」や「低価格」があまりにももてはやされて
消費者の求める味と価格の基準が明らかに下がって来てしまいました。
景気の落ち込みの底は去年までで 今年からは回復に向かうであろうと期待していた矢先の東北の震災でした。
国民の自粛感はが広まり 今後の先行きの動向がますます読めなくなってしまいました。
加えて 近年の異常気象、天変地異など不安材料が増えすぎてしまいました。
果たして このまま蓄えを潰してでも店を維持していくべきなのか。
冒頭にも書きましたが 余力があるうちに方向転換すべきなのか。
私の今後の人生を鑑み 35年に渡ってたずさわってきた飲食業飲食業ですが
自分の中で変革の時が来たと思いました。
先だってにブログでも書きましたが
レストランのオーナーシェフ。そこには 経営者として、そして料理人としての見栄と葛藤があります。
店においては アヒルの水かきのように たとえ荒波のであっても水中では必死に水をかきながらもき然と泳ぐか。
でも 泳ぐ力が水をかく体力が尽きて沈んでしまえば元も子もない。
波が弱まれば 水かきも楽になりますが 今以上の嵐がこないとも言い切れない。
前回のメルマガやHP、ブログなどで 60歳・還暦引退という結論を出し報告させていただいたのですが、
いざ引退を考えると 後8年必死に現状のまま水かきを続けて陸に上がるのと
今、陸に上がって生き方を変えるのとを 自分の中で比較しました。
色々な方にも相談し ご意見、アドバイスも頂戴しました。
ある方からいただいた言葉で ダーウインの進化論の骨子
「強いもの、頭の良いものが生き残るのではない、自らを変えられたものだけが生き残ることができる」
今 陸に上がってしまうと 確かにある意味では今まで可愛がっていただき
パパスを支えていただいた皆様を裏切ってしまうことにはなります。
しかし やっぱり自分の人生なんです。
わがままを言いますが自分の考え、思いがきくうちは 勝手をさせていただきます。
今後の人生は 「60歳での天川村に移住」の夢は残し
それまでは 鍼灸の治療家として勉強しながら励んでいきたいと思います。
幸い「医食同源」を目指し ここ数年勉強してきた東洋医学・鍼灸治療で技術的に自信がついてきました。
日本ではまだ馴染みの薄い治療法ですが 「高麗手指鍼」という「手」だけを使う鍼灸治療に巡り会いました。
これを世に広めて 私のモチベーションの源を、皆様からいただいた「おいしい」の笑顔から
「楽になった」の健康の笑顔に変えていきたいです。
年内はこのまま、パパスでの治療院は続けます。
来年からは場所は未定ですがきっちりと治療院を構えるつもりですので またご案内させていただきます。
20年にわたり パパスを支えそして ご愛顧いただきまして
ありがとうございました。
あなたの思い出の片隅に パパスでのひとときを加えていただければ幸いです。
竹中 幹人