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簡単音楽講座

第7回 声という楽器 
発声訓練の目的と注意

スポーツの練習の際、必ず準備運動をします。
同じく、レッスンを受ける際には各自準備発声をしておくことをお勧めします。
難しいことは要りません。ストレッチと同じように弱い声から始めて、15分〜20分程度、徐々に強く発声するようにしてください。できれば身体のストレッチもされる方が効果的です。
プールで遊ぶ前に、ちょいちょいと手足だけのストレッチをやったりしますが、あのような準備発声は意味がありません。丁寧に喉をストレッチしてやるのがポイントです。
15分〜20分くらい発声していますと、声帯の血液循環が良くなり、柔らかく潤ってきます。
準備発声を省いて、いきなりレッスンを受けますと、ようやく声帯が準備を整えた頃にレッスンが終わってしまうことになります。貴重なレッスンの時間を使って準備運動をしただけ・・・ではもったいないです。また、いきなり本気で声を出すのは声帯にも良くありません。
是非、明日からでも実行してみてください!
明らかに違ってくるはずです。




発声訓練


1オクターブの旋律しか歌わないから、それ以上の音域の訓練は不要かというと、そんなことはありません。同じ1オクターブの歌でも、2オクターブ練習している人と、1オクターブしか練習していない人とでは、声質がまったく異なります。(余裕のある響きと、精一杯の響きの差)


練習に発声トレーニングを取り入れると、声は断然変わってきます。
稽古時間には制限があるでしょうから、別に各自で自主的に行わねばならないかも知れません。(初心者が闇雲に行うのは発声器官にもっとも危険ですから注意してください。)



発声訓練は、スポーツの補強トレーニングや矯正に当ります。
野球のバッティングやゴルフのスイングなどのフォーム作りのような訓練も含みます。


発声訓練には三つの目的があります。


(1)発声器官を目覚めさせ、柔軟にしてやる。(刺激やストレッチ)
(2)発声器官を養う。発声器官の神経や筋肉の活性化。(補強や矯正)
(3)発声器官のすべてが自然に動くようにする。(野球のバッティングやゴルフのスイングなどのフォーム作りと同じようなこと)



フースラーの論文を引用させてもらうと、普段の生活では自分の発声器官のほんの一部分しか使っておらず、その他の大部分は使われないまま痩せ衰えているのです。
この痩せ衰えている組織は、ただ曲を歌ったり、吟じたりするだけでは十分に目覚めてくれません。なぜなら、ほとんどの初心者は、衰えている組織を使わずに、今動いてくれる組織だけを使って、何とか歌おうとしてしまうからです。
それはもっともなことで、まさか自分の発声器官のほとんどの部分が、自分の意志で動いてくれないなどとは夢にも思っていないからです。
幼児の頃から歌ったり吟じたりしてきた人の中に、まったく本能的に自分の発声器官組織を上手く目覚めさせ鍛えることができたケースが稀にありますが、一般的には組織をまんべんなく養うには意識的な訓練が必要です。


眠っている組織をまず目覚めさせなければなりません。
それが発声訓練の第一ステップです。
そして、目覚めた組織を、柔軟・俊敏なものに鍛えてやり、同時にそれらの組織が協力し合って声作りに参加するよう習慣付けてやるのが、次のステップになります。



発声訓練の基本的な注意
1 音質を細かく聞き分ける耳を養いましょう。
音質の違いが分からなければ訓練のしようがないからです。
たとえば、胸部に声を当てる訓練法(ある部分を鍛えたり、ある部分を矯正するための訓練法)がありますが、それが出来ているか否かは、発声する声質で判断するしか方法がないのです。


普段から音質というものに興味を持つようにすれば耳は自然に鋭くなります。
2 一つの訓練法で良い効果が表れたからといって、その方法ばかり続けすぎないよう注意してください。それはたとえば走る為に右足ばかりをトレーニングしつづけるようなものだからです。
3 訓練によっては、始めて動く筋肉もあると考えてください。
そのような筋肉に突然激しい運動や長時間の運動をさせるのは故障の元となります。
弱い声から徐々に始めるのが鉄則です。
4 身体の柔軟体操やストレッチが声にもいいことは周知の事実です。
発声には背筋・腹筋・首や肩の筋肉をはじめ、多くの組織の助けが不可欠だからです。



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