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2008.6.
2008年6月
 4年間の科学研究費研究計画基盤研究(B)「統合的レキシコン理論の開発と言語学教育への応用研究」の最終年度にあたり,ヨーロッパから3人の形態論研究者(2007年9月のニュース「MMM6」を参照)を招聘し,MLF(Morphology & Lexicon Forum) と日本言語学会で講演していただきました。どちらも大勢の参加があり,日本の研究者サークルとヨーロッパの研究者サークルのあいだに橋をかけることができました。。
 
  MLF 2008 Part I
  ≪形態論講演会≫
  ヨーロッパから形態論分野の著名な研究者を招いて講演会を開催しました。
  日時: 2008年6月20日(金)13:00〜17:00
  場所: 東京大学駒場キャンパス
  講師:
Geert Booij 教授 (University of Leiden,オランダ) “Pseudo-incorporation in Dutch, and its implications for modeling the grammar”
     
Angela Ralli 教授 (University of Patras,ギリシア) “Ways of interaction between derivation and compounding”
     
Sergio Scalise 教授 (University of Bologna,イタリア)  “Headedness and headedless in compounding”


会場運営でご協力いただいた東大の伊藤たかね先生,講師の世話をしてくれた東大院生の八島純君,どうもありがとうございました。

2008年6月22日
日本言語学会 第136回大会 
会場:学習院大学
 シンポジウム
 Morphology and Its Neighboring Areas 「形態論と隣接分野」
  Geert BOOIJ (University of Leiden) "Construction morphology"
  Sergio SCALISE (University of Bologna) "Searching for universals in compounding"
  Angela RALLI (University of Patras) "Dvandva [V V] compounds: A linguistic link between Greece and East/South-East Asia"
  Taro KAGEYAMA (Kwansei Gakuin University) "Semantic effects of left-hand elements on right-hand head structure"
  討論者:松本 曜,杉岡 洋子,岸本 秀樹,由本 陽子
  
司 会:影山 太郎


討論者として参加いただいた科研研究計画メンバーのみなさん,とてもよかったです!

Million thanks to Angeliki, Geert, and Sergio!
2008.3.21
2008.2.20 - 2008.3.20 パリ第7大学(パリ-ディドロ大学)からの招聘で,一ヶ月間,客員教授として講演・講義をしてきました。

 パリは,十数年ぶりですが,町の全体的な印象はあまり変わりません。でも,とにかく日本人が多い(特に春休みは大学生などの観光客),日本人向けの店が多い,そして,日本好きのフランス人が増えているという感じです。日本の漫画,アニメの本は,フランス語に訳されて,ふつうの(フランス人向けの)書店に並び,また,日本のアニメやドラマなどのDVDも,フランス語吹き替えで,ふつうの(フランス向けの)DVDショップや駅の売店に置かれています。日本料理店や日本食品店に,フランス人の客が多いのにも少し驚きました。

しかし今回の最大の目的は,3月14日・15日に開かれた国際学会「漢語の言語学」で基調講演を行い,学会全体の統括をするということでした。パリで「漢語」の学会をしても人が集まるだろうかと危惧しましたが,日本およびフランス各地から70名を超す参加者があり,大盛会でした。
   http://celija.risc.cnrs.fr/programme/kango2008/kango2008_accueil.html

 基調講演では,“Peculiarities of Kango in Japanese Morphology: Word plus, Incorporation, and Pseudo-incorporation”という題で,これまでの論文で報告した「語+」の漢語接頭辞,「統語構造での複合語 post-syntactic compounds」,および 「動作主を含む漢語複合語」という世界的にも珍しい3つの形態がそれぞれ互いにどのように関係するのかを,元になる(はずの)中国語,および隣接する韓国語における対応表現との関係で論じたもので,日・中・韓の大変興味深い相違を明らかにすることができたと思います。

 この学会のほか,パリ第7大学東洋言語文化学科日本語セクション,同大学言語学科,社会科学高等研究所で講演を行い,フランス在住の日本語学研究者(フランス人,日本人)と交流することができ,大変有意義な一ヶ月でした。

 招聘していただいたフランス在住の日本語学研究サークルの皆さん(パリ第7大学の中島晶子さんと大島弘子さん,Institut National de Langues et Civilizations OrientalesのNISHIO Sumikazuさん,Universite Michel de Montaigne - Bordeauxの Laurence LABRUNEさん,Centre National de la Recherches ScientifiqueのRaoul BLINさん),どうもありがとうございました。
Merci beaucoup!  特に,中島さんと大島さん,そしてAlanさんには,生活面のこまごまとしたことまでお世話いただき,本当に助かりました。 

パリ第7大学(Paris - Diderot)
(右)司会のIrene Tamba教授
Laurence    Raoul
オランジュリー美術館,モネの睡蓮。
      部屋の4面すべてに睡蓮の巨大な絵が。
それから,たまたまパリ在住だった鍋島さん(アイロンを貸してくれました),代田さん(大好物のマグロを固まりで買ってきてくれました),ホント,ありがとうございました。


 30日も滞在したのに,スケジュールがギッシリで,フランスの地方を訪れる
時間がありませんでした。
   
 しかしパリ市内にいた間にも,日本人とフランス人の文化の違いというか,南ヨーロッパ人の「おおらかさ」というか,日本では考えられないようなハプニングが,滞在したアパート,コンサートホール,そしてホテルで起こりましたが,それについては,また機会があれば。


   でも,美術館と音楽会は充分に楽しみました。

大島さんと,院生の荒井くん
一番お世話になった中島さん
2008.3.23
 2007. 9. 25 − 10. 2   初めてギリシアに行きました。しかもアテネではなく,アテネから長距離バスで3時間半,そこからフェリーで3時間かかるというイオニア諸島のひとつ,Ithaca(現地の言葉ではIthaki。イタキ)という島でした。ここは古代ギリシアの詩人ホメロスが叙事詩「オデュッセイア」を書いたという言い伝えのあるところです。
 ヨーロッパでは,ハンガリー,ウイーン,そして地中海を中心に3つの国際的な形態論の学会が毎年交替で開かれています。今回参加したのは地中海諸国で開かれる第6回Mediterranean Morphology Meeting(通称,MMM)です。招待講演は,ボクの他,なんと(!)社会言語学・方言学で著名なPeter Trudgill,Morphological Productivity (1999)を書いた若手のIngo Plagなど計5人で,一般発表は世界各国から100名を超える応募があった中から選ばれた20数名でした。会場は1つにして密接な議論をしたいという趣旨から,採用人数が非常に限られています。初日の夜はレセプション,二日目と三日目が朝9時から夕方(夜)7時までという過密プログラムで聞いているだけでも大変です。MMMのサイトとプログラムはこちら

 参加者は,開催校の大学院生も含めて合計80名ぐらい。開催地のギリシアのほか,イタリア,スペイン,オランダ,ドイツ,イギリス,アメリカ,カナダといったところで,特に今回は「形態論と方言学」というのがひとつのテーマになっていて,複雑な屈折や異形態の発表が多く,頭の中を素通りの感じでした。しかしその中でも面白かったのは心理言語学の発表で,複雑な屈折形を持つヨーロッパ言語の習得について,「リトアニア語,ギリシア語,ロシア語,英語,...」のように屈折の複雑さで序列を付けた場合,幼児の習得が最も早いのは,最も複雑な屈折を持つリトアニア語で,逆に,習得が最も遅いのは屈折が少ない言語であるという発表でした。要するに,複雑な屈折であっても日常接する機会が多ければ,幼児は早く記憶するということで,人間のメモリーはこれまで考えられてきたより遙かに大きいということです。

 僕自身は,プログラムの最後で「取り」をつとめ,日本語の外項複合語について説明しました。世界の他の言語には見られない「動作主と述語の複合語」が日本語にあるということで,たいへん熱心に注目して聞いてくれました。
司会のSteve Anderson (左)  招待講演をするPeter Trudgill(右)
学会会場(と言っても,町の公会堂)
美しい山と美しい海に囲まれたイタキ島
一日でも時間と共に海の色が変わり大変美しい
      右 司会のAngela Ralli       
右端 Sergio Scalise
左 Geert Booij

2007. 8.31ー9.4  初めての中国訪問。

北京大学で開かれた「2007中日理論言語学研究国際フォーラム」で基調講演をしました。



学会が始まる前に参加者全員で集合写真を撮影しました。そして学会が終わったときには写真の現像ができていて,
全員に写真を配るという中国式の合理的なやり方です。

2007BeijingLinguisticsConference

三原健一さん、岸本秀樹さん、由本陽子さん、沈 力さん、酒井 弘さん、于 康さん、李長波さん、星 英仁さん、于一楽くんなども一緒でした。

 北京大学の大会準備委員長 彭 廣陸さん、開催校代表 趙 華敏さんを始め、中国一流大学の日本語学研究者から熱烈歓迎を受けました。大学院生の皆さんにも大変お世話になりました。

 初めての中国で、行くまでは多少心配なところもありましたが、2008年のオリンピック開催にむけて建築工事を進める活気に触れ、本家本元の北京ダックを食すことができ、満足でした。(日本だと,北京ダックは皮しか食べませんが,本家では肉もすべて料理されます。脂がのって,おいしいです。)

 みなさん、ありがとうございました。

2007.7.1 『レキシコンフォーラム』第3号が発売されました。
2007.6.17 日本言語学会『言語研究』の新しい表紙が決まりました。
2006.12.21-22 4年生卒論発表会を梅田キャンパスで開きました
2006.11.18-19 日本言語学会の大会(札幌学院大学)で,初めて札幌に行きました。

 大阪外大トリオ
  益岡  影山   窪薗
   北海道大学 クラーク博士像の前で

2006.8.19 サイトを開設しました。