ボックス関連
| クラプトンのデビュー時代から80年代後半までを一気にまとめたベスト・ボックス「クロスローズ」はぜひ余裕があれば買ってもらいたいです。 初めてのグループ「ヤードバーズ」から以後クラプトン・バンド、ソロ活動に至るまでのベスト選曲に未発表曲やアルバム未収録のシングルなど貴重なテイクが満載でまさにクラプトンの軌跡が手にとるようにわかります。私にとってはやはりブルース・ブレーカーズ時代からクリームに至る流れがとてもおもしろく、ジミー・ページとのセッションも聞き物です。と、書いたところでジミペのセッションはここではなくて「アーリー・クラプトン」っていうほうに入ってました。こっちには例の「ストーミー・マンディ」もありますんで、できましたらこっちもなんとか聞いて下さいませ。とにかくこの時代のクラプトンのギター聞いたらぶっとびますぜ。心に突き刺さる怒りのナイフってなもんですわ(笑)。音が悪いのなんて関係ありません。 「クロスローズ」の方はライブが少ないのでそれは下のクリーム・ボックスを買ってくださいね。 でこの後、70年代のライブを集めた「クロスローズ」パート2が出ましたけど、お金ないのでまだ聞いてません。 |
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一番最近出たボックス・セット「Those Were The Days」、前から噂になってたクリームの別ライブがこのボックス・セットでやっと聞けることになったんですけど、そんなに数が多くなくてちと拍子抜けしてしまいました。みなさんもうご存知と思いますけど、クリームの正規盤6タイトル丸ごとに未発表ライブ、未発表テイク、別バージョンなんかを加えたボックスということで、CD買い替えを目ろんでいた私には丁度お得でした。といってもちょっと前にライブクリーム1と2を買ってたんでだぶってるんですけどね。しゃあないわ。 聞き物はライブ「N.S.U」「TOAD」の別テイクと「サンシャイン・ラブ」のノーディストーション・スタジオライブ、「ローディ・ママ」のスタジオ・サイケバージョン、未発表デモ数曲なんかがありますね。おもしろかったのはビールのコマーシャル・ソングなんてのがあって、りっぱにサイケで笑っちゃいました。こんなんでビール売れるんかいな。 しかーし、私にとって一番興味深かったのはライブクリーム2の曲が部分的にリミックスし直されてることなんですね。マウンテンのところで少し取り上げましたけど、この2の方はプロデューサーのフェリックス・パパラルディがいじりまくってたわけですが、どういじくったのかがこれでよくわかるんですね。 特に「ホワイト・ルーム」と「政治家」はまったく別物のテイクに聞こえます。どちらもほとんど素のままの録音のようにこれがほんとのステージの音だったのかという感じです。反面パパラルディ・バージョンは完全に作品として仕上げられているという感じで、エコーをかけたりへたなボーカル(笑)はうまく聞こえるようにし、うるさすぎるドラムはちと控えめに、ベースは分厚く、ギターを強調するためにイコライザーはかけるわ、もうやりたいほーだいですな。 どちらが良いのかって言うことになると、これとっても難しいですね。パパラルディの気持ちはわかるんですよね。これが出た当時はクリームとっくに解散してZEPやパープルがぶいぶい言わしてたし、当然マウンテンもやってるわけだから、そういう流れにあわさんといかんと思ったに違いありません。やはし天下のクリーム、色褪せてみられちゃいけませんからね。 てことで、どっちもいいってことにしとこーと(笑)。クリームのライブの凄さを感じさせてくれるパパラルディの仕事も素晴らしいしね。 と、ここまでは以前の見解。最近では実はこのライブ1&2はパパラルディはタッチしていないという新説が出てます。つまり当時マウンテンで多忙な音楽活動を行っていたパパラルディにこれをプロデュースする余裕などなかったというです。となるとこれを行ったのはエンジニアだということになる。真相は闇の中である。 このボックスはは全曲リミックスしてるってライナーに書いてありました。でも素人のわたしにゃそれぞれの曲毎に違いを指摘できません。なんとなく違うなーって感じ。ここに収録されてるライブは他にもみんなそれぞれ違うような気がするんですけど、素人にはここだと言えないのがつらい。聞きこみがたりないとも言えます。リミックスの主眼はめりはりつけたり、不自然さを解消するとか、そんなとこじゃないですかね。前に言った2曲ははっきり違いますけどね。「ステッピン・アウト」はほとんどかわんないですね。だから最後のダビングくさい盛り上げ方もそのままやってます。ここはこの曲のしめですからね、へたにさわれんでしょう。あっ、「グッド・バイ」収録のライブはよくなってますよ。オリジナルは霧のもやもやだったのが、このボックスではくっきり、はっきりしてますからね。昔レコード買ったことのある人はぜひこの機会にこのボックスいかがでしょうかね。 とにかく、久々にクリームのライブ聴いてやっぱ凄いと思いましたね。この時代だから長いインプロビゼーションも許せるわけですけど、だからこそ歴史にいつまでも残るわけですな。 |
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*現在のクラプトン(BLIND
FAITH解散後のEC)より、それ以前の彼の方がよかったというオールド・ファンの声は大きいが・・・。 よく言われるのがプログレッシブ・ブルースという表現でゼップの初期なんかそう形容したりするが、そのルーツということになるとクリーム時代の演奏がその代表ではないだろうか。当然ジミ・ヘンドリックスも同じ事がいえるのであるが。クロスロードのアレンジはクリーム結成前からもう出来上がっていたし、当時の年齢を考えるとその 構成力はすごい。 というのは、1963年につたないギターを弾いていた彼が64年、19歳でヤードバーズに加入したとき、すでに非凡な、というか完成されたものを感じさせていた。それが2年も経とうかという時にブルースブーレーカーズでもう 数段上のプレイになっていてさらなる進歩をみせている。そして、あのクリームでの当時としては超人的なプレイの数々。この時21歳。この進歩の速さは単に練習をしてうまくなったというより、持って生まれた才能、まさに天才的と言えるものではないかと。加えてあのリズム感とタイム感、ただただ脱帽だ。この 天才的順応性は計算してできるものではないと思う。 だから今のシステム化されたコンサートでいつも同じように弾くことができるというタイプではなく、その時の体の中から湧き出るようなギターを弾くタイプだと思う。まさにライブのためにあるような人なのだ。彼のレコードにライブが異常に多いのも、そのライブの中で作品を作ることができるという証明ではないだろうか。 EC(エリック・クラプトン)の場合、クリーム時代というのは新しいものを創ろうという意欲と人間関係が生み出す絶望感の産物が音に表われていて、60年代の混沌とした時代状況を見事に反映している。 「クロスロード」もすごいし、グッパイでのライブの「トップオブザワールド」や「政治家」、定番「サンシャイン・ラブ」のライブも今以って鳥肌ものである。 竹田和夫が少し前のインタビューで言ってたが、クラプトンの最近のストラトの音はレスポールを意識してて、つまりは彼の本来のブルースフィーリングはギブソン系だと。彼のフレーズの切れや情念はギブソン系でこそ発揮される。そういう意味では彼が70年代以降固執しているストラトは決して彼の本来の力を発 揮しているとは言えない。最近やっと彼はそれに気がつきつつあって、ストラトに電気的細工を加えて60年代の音に近づきつつあるんだと。確かにここ10年近くのリードプレイをよく聞けばクリームライブの音に近い。ライブでもしばしばギブソン系を使ったり、ストラトも甘いトーンで弾いたりしてて、オールド・ファンとしてはレスポールの音が恋しいものである。 今にして思えばクラプトンがもっとも活き活きしていた時代はデレク&ドミノスじゃないかと思う。確かにストラトに持ち代えてはいたけれど、楽曲は充実していたし、ギターもクリーム時代に負けないくらいにハードに弾いている。何よりバンドとしてのカラーがはっきりしていて、クラプトンの方向性とバンド・アンサンブルがぴったりと一致していた時代ではなかっただろうか。クリームの時もそうだがバンド内に刺激を与えてくれるメンバー(オールマンのように)がいた時の彼のプレイは実に研ぎ澄まされている。80年代以降の彼に欠けているのは緊張感であるともいえようが、これには当然逆の見方もある。コンプレックスから解放されたリラックスした雰囲気の中で自分のブルースを追求する彼も十分魅力的であると言えるからだ。 |
*クラプトンってどんな性格? クラブトンって感情がストレートにプレイに反映されるタイプである。ほんとにナイーブというか、回りに影響されやす性格なのだ。ジョージ・ハリスンと一緒にやってたときはジョージのようなボーカルだし、アルバム「レイラ」のときはボビーウィットロックの弟みたいな声だし、いやー性格がよく出ている。 その一方で頑固な側面もあり、決してファンに媚びないところがいいようであり、悪いようでもあり・・・。 クラブトンが心機一転して結成したブラインドフェイスが、スティービーウィンウッドがまたしてもベイカーを誘ってしまったために、自分の意図をはずれてクリームの二番煎じになってしまい、あろうことかもろジャズ的な曲までやるはめになってしまった「DO WHAT YOU LIKE」ではその居心地の悪さが聞き手に伝わって来る。 ロックバンドってだいたいボーカリストかギタリストの発言権が強くて、どちらかがリーダーシップ取るというパターンが多いが、クラプトンは本来そういうタイプじゃないみたいだ。ギターにのめり込み、探求心を深めていく、職人タイプじゃないかと。ミュージシャンには二つのタイプがあって、周りのメンバーが調子が悪かろうと常に自分のペースを保って最大限の実力を発揮し、自分以外のレベル低いものまでその実力以上の力を出させてしまうタイプ(ジャック・ブルースなどはこのタイプに近い)と、他のメンバーの実力や調子に影響されまた自分もその時の感情によって好不調の波が激しく、時にはまったくさえない演奏をするタイプとがあるが、たいていはその両側面を併せ持っていてどちらかの傾向が強いとなるが、クラプトンなどは後者に属するようだ。 クリームがもう少し互いを高めあうような緊張感であればもっと続いていただろうけど、あらためてクラプトンのピークはブルース・ブレーカーズからクリームにかけてがすべてであると言い切ってしまおう。アルバム「レイラ」があるじゃないかと言う人もあるだろうが、楽曲は確かに素晴らしいと思うが、ことギターに関してはストラトの音色の硬さと伸びのなさがクラプトンらしさを感じさせてくれない。まあこういうのは結局の好みの問題とも言えるわけだが、しかし、いいたい事はこうなのだ。あれだけ攻撃的で緊張感のあるプレイがいつまでも続けられるはずはない。まさに、すべてを出し尽くしたがゆえに崩壊は自明であったと。『滅びの美学』とはそういうものなのだ。ビートルズのホワイト・アルバムに収められている「ホワイル・マイギター・ジェントリー・ウィープス」のクラプトンのギターこそは燃えつきる直前の炎のような慟哭の美が凝縮されているのである。 |
01/06/24