神戸国際協力交流センター雇い止め裁判をご支援頂いている皆様へ

本日、大阪高裁判決言い渡しがありました。判決は「本件控訴を棄却する」。内容は、敗訴であった神戸地裁判決よりさらに大幅に後退するものです。

神戸地裁では「特段の事情がない限り、契約更新がなされるものと期待することに一定程度の合理性があると認められ、そのような期待は法的に保護されるべきである」と認めた上で、整理解雇の4要件を有期雇用であることを理由に大幅に緩和し、雇い止めに合理的な理由があると判断したものでした。大阪高裁判決では「本件雇い止めは、単に、本件労働契約において定められた契約期間が満了したにすぎず」と雇い止め理由については「判断する必要がない」と言い切りました。

なんだか、難しい言葉ですが、要するに「1年契約が終了しただけであり、雇い止めに理由などいらない」と言っているわけです。

首切り自由社会への途を開く、本当にとんでもない判決です。

ですが、この最低の判決を、これからの私の運動のスタートラインにしていこうと思います。「雇い止めに理由はいらない」という判決がでることが、今の日本の状況(正規雇用におけるリストラ要件の緩和、有期雇用者の増大)をあらわしているのなら、それが現実であるのなら、社会を変えていく運動をしたいと思います。こんな働き方・働かされ方はおかしいという声が、10回言っても届かなかったとしても、100回、10000回いい続けることで現実を変える力になると信じたい。一人が10000回言うことが無理であったとしても、同じ立場にあるものが、あきらめず、一緒に声をあげればかわっていくはずです。

雇い止めになり、提訴してから2年足らず。その間、本当にいろんなことがありました。全部投げ出して違う道にすすめたららくだろうな、と思ったことも何度もあります。特に地裁敗訴後しばらくは、「こんな裁判やらなきゃよかった」と何度も思いました。それでも、今日最低の敗訴判決をもらった後でも、やっぱり提訴して良かったと思っています。それは、泣き寝入りせず、提訴したことで出会うことができたたくさんの人たちのおかげです。

今日も、本当に多彩な人達が傍聴に来て下さいました。席が足りなくなるほど、ではなかったにせよ、動員など一切なしで、福岡、大阪、京都、兵庫から、いろんな組織のいろんな年代の方が来て下さいました。その顔ぶれをみながら、「たった2年の間だったけど、好奇心のむくままに、色んなところに顔をだして、知り合いをつくって、有期雇用はおかしいっていう種をまいて、私も結構頑張ったやん」とか思っていました。傍聴に来られなかった方々との出会いも本当に貴重なものでした。どうしようもなく落ち込んでいた時に話を聞いて下さった方、「頑張ろう」と声をかけてくださった方、高裁宛てハガキの販売を手伝ってくださった方、本当にありがとうございました。私がここまで来れたのも、皆様のおかげです。

これからも、これまで出会った皆さんと一緒に、またこれから出会う方々と一緒に、「合理的理由のない有期雇用は禁止」にするための運動を広げていきたいと思っています。これまで裁判の原告として時には義務感でいやな気持ちをだましながら「歯をくいしばって」やってきた部分もありましたが、これからは組織や政党の垣根を越えた、強く・やさしく・楽しく・元気な運動をやっていきたいと思います。その第一歩として、6月4日には大阪のドーンセンターで「有期雇用全国ネットワーク」の発足記念シンポジウムを開催します。皆さんぜひご参加下さい(後日詳細をお知らせします)。

また、もう一点、今回の裁判からうまれたもののご報告ですが、私は今年4月から、龍谷大学の法科大学院で勉強することになりました。頑張って、数年後には弁護士か裁判官になろうと思います。この面倒な事件をほとんどただのような着手金で引き受けてくださり、全力であたって下さった弁護団の先生方には感謝以外の言葉がありません。私も、そんな弁護士に・・・もしくは、弱者の気持ちがわかる裁判官になりたいです・・・これは、3年後の司法試験に合格すれば、の話になりますが。

本当に、これまでありがとうございました。
そして、これからもよろしくお願いします。

2005.2.10 (原告)小谷 成美