| 月刊労働組合2003年10月号掲載のルポタージュ | |
| 均等待遇と生活保障賃金を求めて −コミュニティ・ユニオン全国交流集会開く− |
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| 小谷 成美(神戸ワーカーズ・ユニオン) | |
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私は去年ユニオンに加入したばかりのまだ新入りの組合員ですが、去年の大阪・和泉集会に続き2回目の参加となりました。 |
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| コミュニティ・ユニオン全国ネットワークとは | |
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コミュニティ・ユニオンによる全国交流集会が初めて開かれたのは1989年の青森県弘前市で、翌年の大分集会でネットワークの結成が確認されました。以来、毎年場所をかえ、交流の輪をひろげてきました。現在では約70ユニオン、1万5000人が全国ネットのメンバーです。 |
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| 社会的労働運動としてのユニオン運動の強化を確認 | |
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そして具体的に、地域ごとのユニオンのネットワーク活動を強化していくこと(現在、北海道、秋田、首都圏、東海、関西、兵庫、九州で地方ネットが構成されています)、テーマ別(派遣、介護福祉部門、管理職など)の交流を強化していくこと、物販活動や協同事業等の交流・研究をしていくこと、パソコンネットなど情報・コミュニケーションの質的量的強化をはかることが提起されました。 総会後、全国交流集会に移りました。 |
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| 労働者の貧困化が進む実態を直視しよう | |
全国交流ではまず、「ユニオン運動の目指すもの〜均等待遇、、リビングウェイジ(生活賃金)」と題して、対談が行われました。対談を行ったのは、全国ネット顧問、派遣ネット代表でもある中野真美弁護士と阪神大震災での被災労働者運動に力を尽くした黒崎隆雄・全国ネット事務局長(神戸ワーカーズユニオン委員長)。これからのユニオン運動がどのようなものをめざしていくのか、めざすべきなのかについて話されました。 冒頭、中野弁護士は、連合の評価委員会が労働運動の社会的役割を重視し、「大企業・正社員・男性だけの運動」から一歩踏み出すべきだと提言していることを高く評価したうえで、「しかし、労働運動低迷の原因を『豊かさぼけ』と表現していることには賛同しがたい。実際の労働者はもっとシビアな実態の中にいるのでないか。膨大な量の仕事に追われ、雇用の不安にさいなまれ、立ち上がることする困難になっている現状を直視しなければならない」と提起。 さらに中野さんは、ユニオンに対し、ネットワークを利用して情報収集を行い、労働者の貧困化が進んでいる現状を「可視化」して政策提言や社会運動につなげていくことが重要な取り組みだとエールを送られました。 |
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| 特別報告「ある期間工の闘い」「アサヒタクシー闘争」 | |
続いて開催地の“神奈川らしさ”あふれる2つのたたかいの報告がありました。数百人が結集した会社前抗議行動等のビデオを見ることができ、首都圏でおこなわれている「激しく、熱い」抗議行動に刺激を受けたユニオンも多かったのではないでしょうか。 |
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| 盛り上がった交流会 | |
夕食時には参加者全員が一室に集まり、立食形式の交流会となりました。各地ユニオンや争議の紹介のあいまに東京ユニオン・ユニオンプラスによる演奏、神奈川シティユニオンのスペイン語での熱唱などがあり、賑やかな会になりました。 そして交流会後も、それぞれのユニオンで、またいくつかのユニオン合同のメンバーで、ホテル周辺の居酒屋やホテルの部屋に場所をかえ、深夜まで交流がつづいたようです。 |
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| 多様な課題設定の分科会 | |
2日目は朝から13の分科会に分かれて討論をおこないました。コミュニティ・ユニオンらしい多様な活動にあわせたもので、以下のようなテーマ設定になっていました。 @理由のない有期雇用の禁止を!A派遣法『改正』と派遣労働の課題B人間をトータルに捉えて〜なんでも相談の中での労働相談Cこんなに面白い団交・闘争Dユニオンの組織運営E労働安全衛生〜予防・対策から補償までFネットワークの張り方G外国人労働者は訴えるHパートタイマーの均等待遇を求めてI倒産・経営危機の対策Jケアワーカーの権利向上Kユニオンと地域政治との連携L公務パートの法的地位の明確化と均等待遇について−となっています。 |
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| 分科会から得たヒントを裁判で活用 | |
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実は私自身、神戸市の外郭団体である神戸国際協力交流センターで1年契約の若年嘱託職員として勤務してきたのですが、去年あるきっかけでユニオンに加入しました。しかしその結果、今年の3月末に神戸市からの予算削減を口実に解雇=雇い止め(契約更新拒否)され、現在地位保全を求めて神戸地裁で係争中です。 裁判の中で「1年更新の有期雇用であったけれど、解雇を撤回し、期間の定めのない正職員として職場に復帰させろ」と主張し、争っています。1年雇用だったのに、正職員として復帰??これまでの雇い止め裁判ではあまりみられなかった主張です。この発想をどこから思いついたのか。それは、去年の集会の分科会での中野麻美弁護士のおはなしからでした。 中野弁護士は繰り返し、「雇用に期間をつけるということ自体について、私達労働者は、何度でもあきらめずに問うていくべきなのだ」ということを力説されていました。普通、有期雇用の雇い止めに対する裁判の場合、その雇用の実態からみて期間の定めのない正規雇用と同じような扱いをされていたか、雇用継続の期待が合理的と判断されるかについて争われ、解雇権濫用法理の類推適用や信義則違反の法理にてらして判決がでる場合がほとんどです。しかし、中野弁護士はそれ以前の前提である、「有期契約でなければならなかった合理性」についてまず争うべきであるということを強調されており、そのおはなしを聞いていたからこそ、自分でも過去の判例や学説なども調べた上、今裁判で「1年の契約期間は無効だ」という主張をすることができました。 また、分科会では初回の更新拒否を無効とする勝利判決を勝ち取った札幌地域労組や、契約更新拒否とたたかってきた東京ユニオン・なのはなユニオンの方々の報告を直に聞くことができました。これまで全国ネットや各ユニオンの会報を通じ、それぞれの争議の概要については知っていたのですが、直接当事者のおはなしを聞くことができ、紙面だけでは伝わらない、皆さんの仕事に対する熱意、そして雇用形態の違いを理由に職場の中で差別を受け、簡単に首を切られてしまうことに対する怒りを感じることができました。 有期雇用という制度自体、労働者の人間としての誇りを傷つけるものであるし、結局は経営者や社会にとっても悪影響を与えるものであること、そしてそれに対し裁判をおこすことで問題提起できたことは間違っていなかったことを確信することができました。 分科会では時間が足らず、議論が深められなかったことが残念でしたが、これをきっかけに、日本各地で同じ問題に直面している人達の交流がさらに深まり、連帯して「合理的理由のない有期雇用は禁止」という運動ができるようになればと思います。私も、来年の北海道での第16回交流集会までには一審判決がでる予定なので、その時の分科会では勝利報告をできるよう頑張っていきたいと思います。 |
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| 連帯することでより強いユニオンに | |
「日々の労働相談におわれ、それ以上のことに手をつける時間がない」「争議が解決すると相談者がすぐ組合を辞めてしまい、なかなか専従者をおける財政基盤をつくることができない」というのはユニオン関係者の方からよく聞く悩みです。しかし、ひとつひとつは少人数の、力が強いとは言えないユニオンであったとしても、お互いに情報交換をし、連帯することで大きな力をもつことができます。 年に一度の全国集会で皆が集まることにより、お互いに元気と刺激と情報を与え合い、明日からの運動につなげることができます。そして今後1年の活動で得た経験を次回の集会でもう一度皆で共有したいと思います。 |
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