| 神戸国際協力交流センター雇い止め裁判 裁判の概要 (神戸地裁での争点です。高裁では少し違った角度から今争っています。) |
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訴訟にいたる経緯 神戸国際会館の20階にある財団法人・神戸国際協力交流センター(理事長は笹山幸俊前市長)は神戸市からの補助金で運営される市の外郭団体です。開発途上国の人材を招いての研修の実施、留学生支援、在神外国人の生活相談等を主な業務としています。 |
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財団は私の雇い止めに関し、以下のような説明をしていますが、どれも合理的な理由ではありません。 1.「1年契約の期間満了による」 財団における嘱託職員雇用の実状は、特別の事情がなければ自動的に契約が更新されるものであり、実質的には契約締結後6年で雇い止めすることを内容とする期間の定めのない労働契約と異ならず、更新拒絶には合理的な理由が必要です。 2.「3年以上は雇わないことになったから」 3.「神戸市からの予算削減のため、嘱託職員を2人減らす必要がある。雇い止めの対象となる2人の選考基準は勤務期間の長さで、これはマンネリ化防止・組織の新陳代謝が必要だと判断したからだ」 ・ 神戸市からの予算削減のため縮小される事業は、神戸アジアプラザと神戸国際プラザの運営に関わる事業であり、減員の対象となった2人の担当である研修業務とは全く関係がありません。 ・ 勤務期間の長い者から対象としたということであれば、昨年公募試験に合格し、通算4年目の職員が存在します。その職員が対象にならないのはなぜかという問いに、財団は「試験を受けた時点で1年目だ」と回答しましたが、賃金は4年目にランク付けされており、退職金も支払われていません。また、公募試験導入時の団交では「試験を通った者は4年目の扱いだ」と明言しています。 ・ 嘱託職員の平均勤続年数は2年1ヶ月(3月1日現在)。毎年4人以上が自主退職しています。これほど新陳代謝を必要としない職場は他にあまりないでしょう。さらに「具体的にどんなマンネリ化の実態があったのか」と聞いても答えられません。 ・ 予算がなく嘱託職員を2人減員しなければならないという一方、3月には欠員補充のため臨時職員を2人新たに採用しています。 ・ 人員削減にあたって財団は希望退職を募るどころか近々退職するものがいるかどうかの確認すらしていませんでした。 そして雇い止めを強行した2ヶ月後には自主的な退職者が現れ、その欠員補充のための新たな職員を募集しています。 このように今回の雇い止めには何ら正当な理由がなく、財団が組合を嫌悪した結果の不当解雇としか考えられません。 |
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財団幹部は自分たちの嗜好に合わない職員をいつでも首にできるよう、4年目の契約更新の際には公募試験(面接と筆記)を受けなければならないと一方的に決定しました。そしてその目的を「嘱託職員のやる気をださせるためだ」とし、試験導入の結果「緊張感を高め、効果があった」と強弁しています。 論点2.契約更新の限度は女性差別の「若年定年制」 財団の嘱託就業要綱では、嘱託職員の雇用契約更新の限度は通算6年までと定められています。しかし嘱託職員は財団の基幹的・恒常的な仕事を担っており、更新の限度を定めることには何の合理性もありません。嘱託職員の募集は35歳が上限であり、6年の更新限度は最高41歳を上限とする実質的な若年定年制です。 また、財団では雇用機会均等法の改正で女性のみの募集が禁止されるまでは嘱託職員の募集対象を女性に限定しており、改正以後も1人以外全員が女性であることからして、これは雇用形態の違いを隠れみのにした間接的な女性差別です。 同じ仕事を担当していた神戸市からの派遣職員と比較すれば、嘱託の賃金や待遇は低く抑えられ、住宅手当や扶養手当は適用されません。「嘱託職員は若くておとなしくて、そこそこ仕事をしてくれる女の子がいい。(3,4年で転勤になる)自分たち神戸市からの派遣職員より仕事ができる人がいると困る」というのが財団管理職の本音です。 ※高齢法第4条では60歳を下回る定年を定めることを禁止しています。 ※雇用機会均等法8条では女性であることを理由とした定年の差別的取扱を禁止しています。 ※1975年の朝日放送事件判決では、常勤アルバイトの雇用を内規で2年を限度とし、雇い止めしたことに対してこれは実質上若年定年を理由とする解雇と同様であり、無効だとしています。 論点3.嘱託制度は「合理的理由のない」有期雇用制度 財団嘱託職員制度の実態 財団の職員構成は神戸市からの派遣職員が9人、神戸市職員再雇用嘱託が1人、若年嘱託が11人、臨時職員が4人、招聘外国人青年が1人です。市職員は管理職か庶務・経理の担当者で、事業実施の中心的役割を担っているのは私たち嘱託職員です。勤務時間も神戸市職員と全く同じであり、月の残業が80時間に及ぶこともあり、海外出張もあります。つまり、財団において嘱託職員は、恒常的・基幹的でかつ専門性や経験が必要な業務に従事しています。 しかしその雇用は不安定な1年契約であり、最長でも6年しか働くことができません。このような雇用制度は嘱託職員にとってなんの利益もありません。 有期雇用の本当の理由は・・・ 財団は、正規の職員ではなく有期雇用の嘱託を雇用している理由について「1年契約の理由は財団の運営財源のほとんどが神戸市の補助金であり、当該補助金は神戸市の単年度の予算措置に基づくためです」と説明していますが、一般の企業においても今の人事予算が将来も確保できる保障などありませんし、同じように市の補助金で運営している外郭団体でも独自の正規職員を雇用している事例があります。 人件費はできるだけ安くおさえ、職員はいつでも首を切れるようにしたい。組合に入って労働者としての権利を主張するなんてとんでもない。というのが財団における有期雇用の本当の理由です。これは財団には人材を育て、真剣に国際協力・交流に取り組もうという姿勢が全くないということのあらわれでもあります。 このような嘱託職員の制度自体、法の下の平等原則(憲法14条)、均等処遇(労働基準法3条)ないし男女同一賃金(同朋4条)の規定にあらわれている同一価値労働同一賃金の原則などからみても公序に反するものです。 そして、「合理的理由のない」有期雇用が広がれば、これまで組合運動や裁判を通じて勝ちとってきた労働者の権利は骨抜きにされ、「解雇自由の社会」になってしまいます。 |
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