質問・回答(0225)


腹膜偽粘液腫という病気はどんな病気なのですか?

Date: Wed, 14 Feb 2001 17:34:52 +0900
yahooにて検索しました。 本人の病気についてお尋ねします。

38歳女性。 昨年2月に卵巣腫瘍と診断をうけ手術をしたところ 虫垂に粘液腫ができている事と解り急きょ大腸の一部、虫垂、粘液腫をとるという 手術を受けました。 病理検査の結果、やや悪性の腫瘍と言う事で7月に5FUの点滴治療を4週間受けました。

その後UFTの服用を続けてきましたが、11月頃よりお腹が膨らみだして(妊娠8 ヶ月程度)12月に粘液と腹水の摘出手術を受けました。 その後さらに腹水がたまったため1月末に抜いてもらいました。 現在は5FUの服用と利尿剤、ブレドニン、痛み止め等を服用しています。 最終的に腹膜偽粘液腫と診断されています。

主治医からは、最初の手術時に、すでに腫瘍が破れていたので細胞が散っており 腫瘍が腹膜や腸管等に飛んでいるので外科的な処置は無理だということ。 今後は粘液や腹水がたまったら取るという事が治療になると言う事。 今まで行った化学療法は利き目がなく、他の化学療法を試しても効くかどうかは 分からなく、副作用もきついと言われています 一生この病気は治らないので付き合って行かなければいけないとも聞いています。

残念な事に主治医からは私の質問に対しての答えがかえってくるだけで、 具体的な病気の説明は無く今後の治療方針、予測等は聞かされていません。 それは病気の悪化に対しての主治医の心使いなのか、わからないだけなのかは不明です 。 私としては主治医の意見をききたいのですが、他とよく相談してとの返事がかえって くるだけで、どこか心もとない感じます。

そこでお尋ねです。 腹膜偽粘液腫という病気はどんな病気なのですか?

調べたところ進行の遅い腫瘍とありましたが、癌の一種なのですか? 現在体調はもどりつつあります。腹水はたまって来ているようで、お腹の張りは 日々大きくなってきています。その症状が不愉快ですが、これが改善される方法は 無いのでしょうか? 化学療法を受けて回復する見込みはあるのでしょうか? 一生付き合って行く病気ならば、どう覚悟を決めていけばいいのでしょうか?

国立**病院で診てもらっていますが、他の病院でこの病気に詳しいところを 御存じでしたら教えて下さい。

Date: Wed, 14 Feb 2001 19:20:01 +0900 メール拝見しました。

「腹膜偽粘液腫」という大変珍しい、しかも治療に難渋する病気で医師としても 心が痛みます。 以下、ご質問に沿ってお答えします。

「腹膜偽粘液腫」とは40歳くらいの女性に多い珍しい病気です。 虫垂(ちゅうすい:一般の人が「盲腸」といっている病気が起こるところです) や卵巣などの粘液性嚢胞腺腫や嚢胞腺癌が腹膜内に播種(飛び散ること)したも のではないかと考えられていますがはっきりとした原因は不明です。

特徴は腹膜(お腹全体を胃や腸もひとつひとつ丁寧に包んでいる膜)の中にゼラ チンのような粘液が一杯にたまってくることです。 原因が虫垂や卵巣の部分の癌の場合であっても「腹膜偽粘液腫」という状態にな ると「癌」の様に肝臓や肺に転移することはほとんどなく、浸潤と言ってじわじ わと周囲の臓器にしみ出して拡がってしまうこともほとんどありません。 ですから「癌である」という言い方をする医師はほとんどいませんし実際「癌」 とは言えません。

進行が極めて遅いのも「癌」とは違った点です。 貯まってくる粘液を完全に止めてしまう方法はいろいろと工夫や研究が行われて いますが現時点では未だ開発されていません。手術やいろいろな抗癌剤の組み合 わせて少しでもこの貯まり方を減らそうという努力が行われます。

「腹膜偽粘液腫」の治療成績が他の施設よりも抜きん出て成績が良いというとこ ろは少なくとも私は聞いたことがありません。施設間での差はそれほど大きくは ないと思います。

覚悟の決め方ですが、 「一生付き合っていかなければならない」と主治医の先生より伺っておられるよ うですね。今後画期的な治療法が出現するまではその覚悟が必要でしょう。

余命については個々のケースにより違いますので一概には言えませんが 「腹膜偽粘液腫」で悪性度や病態が最も悪い場合でも数年、普通は十数年以上の ことが多いです。

今後は手術、抗がん剤の治療に今後ある程度時間を割かなければなりません。 治療期間以外の時間をできるだけ有意義なものにするように工夫をされるようお 勧めします。 「癌」のように余命数ヶ月などという状態では全くありませんので、 あまり慌てずに今後の身の振り方、楽しみの時間の過ごし方、経済的なことも含 めてご家族の方々とも、それも機会あるごとで良いので、ゆっくりと考えていか れてはと思います。


Date: Thu, 15 Feb 2001 09:23:30 +0900 Subject:

粘液腫の回答ありがとうございました。 早々の回答ありがとうございました。

癌とは異なる病気である事。主治医の言葉のとうり治療法が無い事が 納得できた気がします。 現状を受け入れ今後の生活をどうして行くかを考えて行かなければ いけませんね。 日々膨らむお腹は不愉快ですが、それに負けないよう行きたいです。

老いた両親を見ると心がいたみますが、すこしでも私が元気でいる事 が彼等の支えにもなると思い、前向きに生きて行きたいと思います。

今後、一生付き合う病気であれば尚の事、主治医の先生への不安を 抱えたままではつらいので、他の病院でも相談を受けてみようと 考えています。

病気は選べませんが、 お医者さんは選んでもいいですよね。 まだ、気持ちが落ち着きませんが、ゆっくりと穏やかに 生きていけたらと思います。 アドバイスありがとうございました。


腹膜偽粘液腫の件で相談に乗っていただいた者です。その後の結果報告です。

Date: Mon, 09 Apr 2001 07:19:55 +0900
2月に**の相談で急いで返答をいただいた*****です。

適確な回答をありがとうございました。おかげさまで、病気の事、余命のこと、落ち着いて考えることができるようになりました。

その後も、腹水と、粘液の貯留が止まらず、1〜2ヵ月のあいだに2度2リットル弱の腹水を抜いてもらっています。

現在は痛み止めと精神的なケアの為にホスピスで過ごしています。痛みの調整がとれ、精神的に安定してきたら、また、元の生活にもどれるのではと考えています。ホスピスに入ることは少し抵抗もありましたが。

一般の病院と異なり家族への精神的ケアもすばらしい物があるので今後の私の病気、生活の全てを含めて、上手に付き合って行けたらと考えています。

不思議な事で、病気と真正面に向き合ったことで、始めて自分が病人だったんだと自覚することができました。

縁あって、現在CTL(細胞障害Tリンパ球)を用いた養子免疫療法を始めることになりました。
培養されたリンパ球投与の2日くらい前に、制癌剤を投与しリンパが動きやすい環境を作るそうです。その後、リンパ球投与と同時にピシバニールという免疫活性剤を時に用います。これは、投与したリンパ球がより良く働けるようにという物だそうです。副作用もほとんど無いと説明を受けています。

現在、治療の準備を進めているところです。(といっても私は腹水を抜かれただけで何かをしている訳ではないのですが。)

新しい治療に可能性が出てきたことに素直に喜びを感じています。

そろそろ、培養の準備も進み、いよいよ治療の時が近付いている気がします。不安と来たいが入り交じって複雑な心境です。きっと、よい成果が訪れると信じています。

もし、私の治療法、検査結果等でお役にたてる事があるようでしたら、御連絡下さい。
せめてもの御恩返しができれば幸いと思います。


ご丁寧なご連絡をありがとうございました。 又のご連絡をお待ち申し上げております。